こんにちは。日笠です。
今回は「確証バイアス」についてです。この確証バイアスによって、間違った判断などをした経験が多かれ少なかれあるかと思います。私もたくさんあります。
確証バイアスとは
確証バイアスとは、「自分が正しいと証明する証拠ばかり集める」傾向のことを言います。要は自分にとって都合のいい情報ばかりを集めて、都合の悪い情報に目を向けないということです。
- 欲しい商品のいい部分ばかりの情報を集め、それと対抗の商品の悪い部分のみ目に留まる
- SNSで同じ意見を持った人ばかりの意見を見て、それと違った意見は見ない
などなど、思い返してみると心当たりがあるのではないでしょうか。
2-4-6問題
ここで、1つ有名な確証バイアスがいかに簡単にかかってしまうかを確かめる実験を紹介します。
実験内容
これから3つの数字を提示します。
その順序に隠された法則を見つけてください。
法則はあくまでも数字の順序です。
法則を見つける方法は、まず、自分で考えた3つの数字を出題者に伝えます。
すると、出題者が、その並びが法則に当てはまるかを回答します。
そうして、法則が分かったと確認出来たら、その法則を回答してください。
出題者はその回答が正しいか発表します。
それでは始めます。3つの数字は「2,4,6」です。
結果
この実験では、ほとんどの人が1回で正しい法則にたどり着くことができなかったようです。
ある被験者の実験風景を見ていきましょう。
実験風景①
出題者:3つの数字は「2,4,6」です
被験者A:「4,6,8」
出題者:当てはまる
被験者A:簡単ですね。法則は「2ずつ増えていく偶数です」
出題者:違います
被験者A:・・・。では、「7,9,11」
出題者:当てはまる
被験者A:念のため、「21,23,25」
出題者:当てはまる
被験者A:法則は「2ずつ増えていく数字」!
出題者:違います
被験者A:嘘だ!!
出題者:違います
被験者A:「-9,-7、-5」
出題者:当てはまる
被験者A:。。。「1110,1112,1114」
出題者:当てはまる
被験者A:え?本当に2ずつ増えていく数字ではないんですか。
出題者:違います
途中経過①
いかがでしょうか。
ここまで出た数字は、
- 4,6,8
- 7,9,11
- 21,23,25
- -9,-7,-5
- 1110,1112,1114
でした。
文字として記載されていると、分かりやすいですが、自分が正しいと思っていることばかり証拠を集めようと被験者Aは必死です。
続きを見ていきましょう
実験風景②
被験者A:(同じ数だけ増えていく数字なのか?)「3,6,9」
出題者:当てはまる
被験者A:ふむふむ。では「4,8,12」はどうでしょう
出題者:当てはまる
被験者A:分かりました。答えは「任意の数字xに定数kを足した数」ですね
出題者:違います
途中経過②
ここでも被験者Aは自分が立てた仮説(同じ数だけ増えていく数字)が正しいという証拠だけを集め、反証をしていません。
被験者Aは、もう苛立ちがとまらず、半ば適当になっていきます。
実験風景③
被験者A:はいはい。では「3,11,12」
出題者:当てはまる
被験者A:はぁ?・・・「5,4,3」
出題者:当てはまりません
被験者A:え、もしかして前の数字より大きい数字であれば何でもいいんですか
出題者:はい。その通りです
実験まとめ
実験風景①②は、すべて自分の仮説が正しいことを証明するために証拠を集めていることが良く分かります。
そして、半ば適当になった実験風景③で初めて被験者Aは自分が試していた仮説が打ち破られたことに気づきます。
このように、人間がいかに確証バイアスにかかりやすいかお判りいただけたのではないでしょうか。
確証バイアスにはメリットもある
さて、この「確証バイアス」は、デメリットばかり挙げられることが多いですが、メリットもあります。
成功体験を数えて、自分を信じ込ませる
確証バイアスはこれまでの話のとおり「自分が信じたい情報だけ手に入れて、さらに信じ込んでしまう」ということでした。では、逆にいうと、「信じたいことを自分に信じ込ませることができる」とも言えます。
よく言う「病は気から」というように、思い込みをすることで、信じたことを実現させることができるのではないでしょうか。
確かめたいことを絞り込む
「自分の立てた仮説に関する情報のみを集めようしてしまう」ということは、仮説さえ立ててしまえば、自然とその情報が集まってくるといえます。仮説を立てることで、調査したいこと・確かめたいことを絞り込むことが可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は確証バイアスについて述べました。デメリットばかり挙げられる確証バイアスですが、メリットにも注目して活用していくとよいかと思います。