株式会社シベスピ 従業員ブログ

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時間の歴史

こんにちは。
今回は時間についてです。
これまで時間については、様々な文脈で語られてきましたが、
ここでは歴史的な転換点となった事を3つご紹介します。

転換点① 現在主義 ~4世紀の宗教から~

時間について語られた本のうち、最も有名なものの1つ(と思っている)に、
アウグスティヌスの『告白』があります。
これはキリスト教的な本ですが、その中で時間について語られています。

この本が出る前まで、時間は運動を用いて説明・考察されていました。
(天体の運動によって時間が測れるなど)
アウグスティヌスは、これらを切り離して考察しました。

彼の時間論を(かなり)要約すると、
時間には、未来・現在・過去という3つの要素で存在しているが、
厳密には、過去としての現在・未来としての現在が存在しているだけで、過去や未来は存在しない。
過去は記憶として、未来は期待として認識している。

このような考え方は、現在主義と呼ばれています。
現代でも議論されていて、現在主義にも色んな派生形がありますが、
元を辿ると、この人に行き着きます。

転換点② 正確な時計に ~14世紀から16世紀のヨーロッパ~

経済学者 ジャック・アタリの『時間の歴史』から紹介します。

日時計や砂時計は紀元前から存在していたと言われていますが、
現代の日常生活の中で、必要不可欠な精密な時計は、
14世紀のヨーロッパにて作られたと言われています。
15世紀には、教会(や鐘楼)に大時計が設置されるようになり、
16世紀に入ると、様々な公共建築物に設置されたとのことです。
また、この間に懐中時計といった小型の時計も登場しました。

技術的な進歩によって精度を増した時計によって、
それまでよりも、時間を数として測るようになります。

転換点③ 絶対時間から相対時間へ ~17世紀から20世紀の科学~

17世紀にニュートンによって、常識となっているような時間の概念ができました。
これは絶対時間というもので、物体の運動とは無関係に、一定のテンポで流れている時間という意味です。
時計がなくなったとしても、時間は一定で流れていくという考え方です。
それまで、時間は時計によって測られるものでしたが、それ以降、時計は時間によって動くものへと変わりました。

この絶対時間は、ニュートン力学を説明するために作り出されたもので、
何か理論があって生まれたものではなく、時間ってそういうものという前提として出てきました。
そのため、(発表当時から批判されていましたが、)アインシュタインによって批判されました。

20世紀にアインシュタインは、(マッハの相対時間の影響を受け、)「特殊相対性理論」を作りました。
ここで、動いている時計はゆっくり進み、光の速さに達すると時間は止まるという話をします。
現代物理学はこの系譜にあるため、ニュートンの絶対時間は息をひそめていますが、
現在でも絶対時間-相対時間の議論はされているようです。

おわりに

時間については、哲学や社会学、物理学などで研究されていますが、それぞれの時代の研究が他の分野から影響を強く受けていたりします。
その時代の考え方を知るために、歴史から知るのも一つの手段ですね。