株式会社シベスピ 従業員ブログ

シベスピの社員ブログ。技術・想い・経験沢山書いていきます!

今年買ってよかった本、技術書

お久しぶりです、大畠です。
気づけば12月、年末です。早いですね。寒いですね。

今年はコロナの影響で、自粛生活によりあまり遠出ができませんでした。
ですが、身の回りのことにいろいろな変化が起きましたので、濃くあっという間の一年間だったように思えます。
年末年始は自粛要請が出ていますので、実家に帰らずに家で年越しされる方も多いのではないのでしょうか。

例年よりも時間を持て余すかもしれないので、今回は僕が今年買ってよかった勉強本、暇つぶしの小説などをご紹介したいと思います。
興味を持った方はリンクをポチっとしてくださると嬉しいです。

勉強編

独学大全

https://www.amazon.co.jp/dp/4478108536www.amazon.co.jp
勉強しても長く続かない、そもそも勉強の仕方がわからない、勉強を始めるモチベーションが上がらない…
様々な理由でこれまで勉強を挫折したのは、誰もが一度はある経験ではないでしょうか。
本書は勉強をやめた……でも、もう一度取り組みたいという思いがある方にお勧めだと思います。
内容は勉強の取り組み方や、調べ方を55の技法で紹介しています。
(読書の仕方だけでも8通り紹介しているのは驚きです)
値段は3000円ちょっとと少しお高めですが、将来の自己投資と考えればコスパは十分に良いと思います。
私も、どうしてもやる気が起きないときに2分間だけ実施する「2ミニッツ・スターター」や、進捗を記録するラーニングログ(勉強の記録表をつける)を実践しています。
個人的には紙版をお勧めしたいですが、重くて厚いので移動中に読むには電子書籍が良いと思います。

今年の10月に発売されたばかりですが、SNSを通して話題を呼び、あっという間に重版がかかった知の集積本です。

ホワイトハッカー入門

https://www.amazon.co.jp/dp/4295010022www.amazon.co.jp
映画やマンガとかでたまに見る、"カチャカチャカチャ……ッターン!(Enterキー押す)"なキャラがいるじゃないですか?あれがハッカーです。(語弊あり)
本書ではハッカー(Hacker)をこう定義しています。

優れたコンピュータスキルを持ち、ソフトウェアやハードウェアの仕組みを理解し、作成や調査ができる人

(本文引用:9p)
ハッカーにも種類があり、ハッキングスキルを犯罪に使う人をクラッカー(Crime Hacker)、反対にハッカーの知識、技術をセキュリティのために使う人をホワイトハッカー(Ethical Hacker)といいます。
本書は、ホワイトハッカーを目指すにあたって、クラッカーの脆弱性を突いた攻撃手法や、サーバのクラッキング手法について解説しています。
日々進化していくクラッカーからの攻撃には、ホワイトハッカーも同様、攻撃者と同じ視点と手法を持って対策を打っていきます。それにはもちろん高度なセキュリティ知識とスキルが要求されますが、応用を効かせるセンスと、倫理観も必要とされます。
近年、ネットワークサービスが進化していく世の中で、ユーザ側のネットリテラシーの向上も必要ですが、多くの人がネットに触れる機会が増えたことにより、サービス提供者側の情報セキュリティの重要性がさらに高まっています。
私個人の話では、セキュリティ関連の仕事に関わったことはありませんが、アプリケーション側からのセキュリティ知識を持っておいて、損なことはないと思います。

フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる

https://www.amazon.co.jp/dp/4788507889www.amazon.co.jp
以前、ジュンク堂のプログラミング関連のフロアに、この本が陳列されていました。珍しかったので購入したものの、ずっと積読状態のままで最近やっと読んだ次第です。

フィールドワークとは、Wikipediaによると以下の説明になります。

フィールドワーク(英: field work)は、ある調査対象について学術研究をする際に、そのテーマに即した場所(現地)を実際に訪れ、その対象を直接観察し、関係者には聞き取り調査やアンケート調査を行い、そして現地での史料・資料の採取を行うなど、学術的に客観的な成果を挙げるための調査技法である。地学や地理学では巡検ともいう。

フィールドワークは主に人文科学、自然科学、医学の分野で使われる調査技法です。
著者の佐藤氏は、これまで暴走族や劇団に年単位の調査を行い、彼らの信頼を得ながらインタビューを繰り返してきました。
その中で、繰り返し彼が行う"問いを育てる、仮説をきたえる"行程はプログラミングの分野でも重要な要素だと思います。
インタビューの中で、佐藤氏は暴走族の青年たちが抱える不満や悩みを聞き、外からの世界では決してわからない物事の本質を見つけ出していきます。そのための調査や問いの立て方は、エンジニアとしてサービスを作る際の技法として参考にできる部分もあるのではないでしょうか。

SSLをはじめよう ~「なんとなく」から「ちゃんとわかる!」へ~

booth.pm
今年の技術書店はオンラインマーケットでの開催でした。
そこで新作が出るたびに買っているのが、mochikoAsTechさんの本です。
いろいろな本を書いている方ですが、本書はシリーズを通した3作目です。
SSLはわかりやすく言えばhttpの後につく"s"の部分です。
f:id:chivsp:20201219140241p:plain
この"s"とは何なのか、SSL/TLS通信ってなに?と、初学者にもわかりやすく解説をしています。
同人誌なので、書店の技術書とは違い、とても砕けた文書で説明していますのでとても分かりやすいです。
著者さんが元はインフラエンジニアということで、過去のシリーズにはDNSAWSについての解説本も出しています。

SQLアンチパターン

https://www.amazon.co.jp/dp/4873115892www.amazon.co.jp
あなたはある日突然、SQLのテーブル設計を頼まれました。
SQLはある程度かけるけど、テーブル設計なんてしたことがない。
なにをしたらパフォーマンスが良くて、壊れない設計なんだ? と疑問を持つ方にオススメです。
本書は珍しく、良い設計パターンの紹介ではなく、悪い設計パターンの解説をしています。
最初に軽い挿話が差し込まれ、それに沿ってアンチパターンの解説、解決策を提示してくれますので、イメージもしやすいと思います。
ただ、外国の方が書かれた文書というのは、最初とっつきにくいものです(少なくとも、私はそうでした)
ですので、最初に本書の解説(まとめ)をしているサイトを先に読んでから、本書を読むことをお勧めします。

以上、5冊を紹介しましたが、技術書ばかりお読みになって、目もお疲れの様子かと思います。
では、休憩に面白い小説を読みましょう。

暇つぶし編

シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

Amazon.co.jp: シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選 (竹書房新書) eBook: シェルドン・テイテルバウム, エマヌエル・ロテム, 中村融, 安野玲, 市田泉, 植草昌実, 小川隆, 山岸真, 山田順子: Kindleストア
イスラエルをご存じでしょうか?
殆どの人が「中東の~……あのあたりの~……」とぼんやりしたイメージを持つ国から、今年、SF小説傑作選が出ました。
宗教も思想も違う方が考えたサイエンス・フィクションとは……SF小説好きとして、十分に満足できる作品でした。
登場人物の名前が馴染みなく、ちょっと覚え辛さもありますが、笑える話もあり、お勧めです。

幻綺行 完全版

幻綺行 完全版 (竹書房文庫) | 三蔵, 日下, 順彌, 横田 |本 | 通販 | Amazon
本書の主人公、中村春吉は実在した人物で、かつて自転車による世界一周無銭旅行を達成しました偉人です。
偉人と紹介しましたが、本書を読み終えるまで私はこの人物が実在の人物であることを知らず、驚きました。
小説の中の話はもちろん空想ですが、それに劣らず実際の彼が訪れた土地には逸話が残されています。
Wikipediaの内容も面白いのですが、小説の中の彼は実に紳士的であり勇敢。
古風な語り口が癖になるとても読みやすい本かと思います。

バッタを倒しにアフリカへ

Amazon.co.jp: バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) eBook: 前野 ウルド 浩太郎: Kindleストア
少し前に話題になった本です。
著者の前野 ウルド 浩太郎氏は少年時代に「バッタに食べられたい」という想いを抱き、昆虫学者になったそうです。
そんなユニークな考えを持った著者がアフリカに渡り、蝗害(こうがい)に悩む現地でバッタの研究を行います。
すべてはバッタに食べられたいという夢(?)のため、氏は様々な試練を乗り越えながらバッタと格闘します。
地味なフィールドワーク本にも思えますが、物語終盤の、数キロに及ぶバッタの群れに単身ぶつかっていく著者の行動は格好良く思えます。


いかがでしたでしょうか。
プログラミング以外の本では、統一性がありませんが、どれも今年読んで面白かった本です。
年末年始の空いた時間に読む機会がありましたら、こっそり感想などを教えていただけるとうれしいです。