株式会社シベスピ 従業員ブログ

シベスピの社員ブログ。技術・想い・経験沢山書いていきます!

サブスクの流行による音量の変化

吉原です。

趣味でギターを弾いたりするのですが、未だにアナログなものに魅力を感じて
中古楽器屋やハードオフを見つけると小一時間ほど滞在して掘り出し物が無いか探してしまいます。

そのせいか、サブスクリプションサービスが主流になっている中で
僕の部屋の棚はCDとレコードの背表紙でみっちり詰まっています。

もちろん自分もサブスクを使っているのですが
サブスクで聞ける曲でも、CDなどの形あるモノとして持っておきたい時があります。

CDプレーヤーで色々なCDを聴いていると、年代やジャンルによって音量が明らかに違う事に気づきます。
でもサブスクで配信されている曲はほとんど同じ音量に聞こえるような気がしました。

正直、聴く分には自分で音量操作すれば良いし関係のない話だと思っていたのですが、
大学時代にレコーディングスタジオに籠もっていた頃、全楽器録り終えた後エンジニアから
「今回は音量CDに合わせる?サブスクに合わせる?」と聞かれ、知ったかぶりをして
「今回はCDで!」と適当に答えてしまい後から必死に何が違うのかを調べました。
後からエンジニアにも沢山教えてもらいました。
今回はその時につけたCDとサブスクの違いについての知識をここで書いていけたらと思います。

CDの音圧競争

CDの音量は、CDが出たばかりの頃と比べると
マスタリングツール(音圧を上げるソフトやハード)の発達によりどんどん大きくなっていきました。

ツールの発達により音量を上げられるようになると、ラジオやテレビで流れた時に
他のアーティストの曲よりも大きな音で流すことで印象に残し、目立たせたいと考えるようになります。

それにより、音楽業界全体で互いに対抗して音量を上げ続ける「音圧競争」が加速していきました。
2000年代の音源は、どれもかなり大きな音量だったようです。
中にはCDで出せる最大音量を超えてしまい、音割れが起きているような音源も
あるのですが、それもそのアーティストの個性があって良いと思われているようです。(ロックやパンクでよくある)

そんな音圧競争を続けていたため、サブスクリプションが流行する直前の曲は音量が大きいものばかりでした。

サブスクリプション流行による音圧一定化

そんな音圧競争も、近年のサブスクリプションサービスの登場により沈下していきます。
最近では新しい曲に出会う場所はラジオやテレビでは無く、
サブスクリプション側で作られたプレイリストが多いようです。
注目アーティスト20選!東京で聞かれているロック50選!のような、
別々のアーティストの楽曲を寄せ集めたようなプレイリストが最近では流行っています。

それでも音量は大きい方が目立つし良いのでは?と思うのですが、そんな簡単な話ではないのです。
どれだけ音量が大きくても、サブスクリプションサービス側で
プレイリスト内の音量が一定になるように自動で調整されてしまう為、
音量が大きい楽曲は無理やり音量を小さくされてしまい、迫力が一気に落ちてしまいます。
同じ音量になった時に他の楽曲より目立つ様、アーティストも曲の奇抜さを意識しています。
エンジニア側にも、どんな音量で聴いても各楽器のバランスが取れるよう工夫する繊細さが求められています。

最後に

CDとサブスクは、売り出すマーケットの違いによって音量が変化していました。
親の影響でブルーハーツウルフルズを聴いていた僕はサブスクに対して
そんな綺麗で小さい音でロックバンドは聴けないよ!!!と言いたくなってしまうのですが、
もっと繊細な新しい曲もたくさん聞かないとだと思わされました。