株式会社シベスピ 従業員ブログ

シベスピの社員ブログ。技術・想い・経験沢山書いていきます!

「考える」を考える。

昨年の社内スピーチで、「人は見たいものを見たいように見るので、『どこに注目してほしいのか』を考えて質問を組み立ててはいかがでしょうか」というお話をさせていただきました。
今回の話は、その延長線上にありそうなお話です。

「考える」って何なのか。

「考える」ことについては、以前システム部長も以下のように述べていました。
chivsp.hatenablog.com

※この記事では、「よく考えて」「もっと深く考えて」という用法における「考える」の入り口、あるいは前提について取り扱います。

知らないことはわからない。

そもそも、知らないことを思考することはできません。

例えば、突然「マールス」と言われても、大半の日本人は「何のことだ?」と思うことでしょう。
しかし、「林檎」と言われれば、品種や色、味、あるいは好き嫌いなど、今までの人生で得た知識や経験から、何かしらの(連想ゲームめいた)思考が生まれるはずです。

※マールス:ラテン語で「林檎」のことらしいです。私も適当に検索しました。間違っていたらこっそり教えてください。

このことから、「考える」前提として、対象に対する知識や経験といった最低限のインプットが必要となることがわかります。

方向を間違えると辿りつけない。

他の方から「もっとよく考えて」と言われる場合、原因としては「不足している視点がある」ことや「向かっている方向が間違っている」ことなどが考えられます。(ここでは、後者の「向かっている方向が間違っている」を取り上げます。)

例えば、同じ「林檎について考えて」でも、「林檎がなぜ赤いのか考えて」なのか「林檎を甘くする方法を考えて」なのかでは、考え方が変わってきます。

つまり、ここで言う「考える」とは、漠然と思考の海を漂うことではなく、指向性をもって考える、ということになります。
思考に指向性を与えるためには、「どういった目的で」「何を」考えるのかが重要になってきます。

考えるためには

正しく「考える」ためには、

①対象を知ること
②考える理由を理解すること

が大切です。

①対象を知ること

考えなければならないことについて、「知らない」あるいは「わからない」ということに気づいたら、考えるより前に「調査する」ことが重要です。先述したように、全く知らないことについて考えることは不可能だからです。
また、新たなインプットを得ることで、今までの(もしかしたら全く関係ないと思っていた)知識や経験と繋がって、新しい考えを得ることができるかもしれません。

②考える理由を理解すること

考えなければならないことについて、「なぜ考えなければならないのかがわからない」「なにを考えたらいいのかわからない」と思ったら、考えるより前に、「確認する」ことが重要かもしれません。
先述したように、「考えてほしい」と言われる背景には、そう発した側の「なぜ」が存在するはずだからです。
考える前にまず、「どういう目的で」「何について」考えるべきなのかを整理して、それが正しい方向に向かっているかどうか、一度確認してみてはいかがでしょうか。

最後に

人は見たいものを見たいようにしか見ないし、知っていることしか考えることできないというのは、当たり前のようでいて見落とされがちなことだと思います。
視野や思考の幅を広げることは、人生を豊かにすることにも繋がります。
業務に限らず、新しい知識や経験を得られるような行動を心がけてみてはいかがでしょうか。

目標勾配効果のはなし

届きそうで届かない

最近新しい本棚を購入しました。
まだ届いてはいないのですが、どの書籍をどう並べようか、どんな書籍を購入しようか、毎晩そわそわ考えています。
ただ、ちょっと高さのある本棚なので、上の段に並べた書籍に手が届くのかちょっと心配です。

新しい本棚の購入にあたり、年始の休暇を利用して自宅にある書籍の整理も行いました。
小説や漫画、実用書が大半なのですが、クローゼットには学生時代に教科書や参考書として使っていた書籍もあり、なかなか読書が捗りました。
(整理が捗ったかはご想像ください...)

さて、前置きはこれくらいにして本題へ。
今回のテーマは掘り出した学生時代の参考書から、【目標勾配効果】について取り上げたいと思います。

あとちょっとが大事

【目標勾配効果】という言葉をご存知でしょうか?

【目標勾配効果】とは、

目標に近づけば近づくほど、目標に対する価値が高まり、目標達成に対するモチベーションがアップする

という心の働きを指します。

分かりやすい例がマラソンのラストスパートでしょうか?
ゴール間近に残った力を出し切るように力走する姿は、ゴールという目標を達成することに対するモチベーションが高まっている表れと考えられます。


【目標勾配効果】は実験でも証明されています。
学習心理学者のクラーク・ハルはゴールに餌を置いた迷路にネズミを走らせると、ゴールに近づけば近づくほどネズミが速く走ることを発見しました。
クラーク・ハルの実験はネズミでしたが、後の実験により人間も同じ行動をとるということがわかっています。

よいサイクルを手に入れたい

【目標勾配効果】で目標に近くなればなるほど、目標達成に対するモチベーションがアップすることが分かりました。
しかし、裏を返すと大きすぎる目標にはあまり価値を見いだせず、モチベーションもそれほど上がらないと言えます。

そのため、何か大きな目標を達成するためには、大きな目標と一緒に大きな目標を細分化した小さな目標を立てることがとても重要です。
その小さな目標に対して期限を設けて進め、小さな目標の達成を繰り返すことでモチベーションを保ち続けることができます。


また、目標の達成はイコール成功体験です。
成功体験を重ねると、前回のブログ記事に書いた【自己効力感】が高まります。
chivsp.hatenablog.com

【自己効力感】が高まると成果や結果を手に入れやすくなり、達成感を感じやすくなる。
そして、達成感を感じやすくなると、次の目標を達成する意欲も高まっていくというよいサイクルが生まれます。

モチベーションがなかなか上がらないと悩んでいる方、【目標勾配効果】を利用して小さな目標を達成することから始めてみてはいかがでしょうか?

シベスピ登山部 ~塔ノ岳編~

明けましておめでとうございます。

新年早々、登山に行ってきましたので、ブログに書きたいと思います。

今回行ったのは、神奈川県にある塔ノ岳という山です。
標高は約1491mです。
山頂からの景色が良いらしく、天気が良いと富士山もはっきり見えるとのこと。

今回は、幸いにも天気に恵まれたので富士山が見れそうです!

早速、書いていきます!

今回は、大倉~塔ノ岳山頂までの往復ルートにしました。
小田急線の渋沢駅からバスで大倉まで行ったところから登山スタートです。

大倉のバス停付近には、自然公園とかスポーツセンターがありました。

登り始めにパシャリ。


少し歩くと山道っぽいところに入りました!

こんな道を進んでいくと、、、

大観望!
遠回りになるけど、景色が良いのかな?登り始めてすぐだけど・・・
「大」観望だし、きっと良いよね?
と思って行くことにしました!
わくわくしながら歩くこと十数分・・・

CAUTIONテープが貼ってある門が見える(笑)

どうやら、先日の台風19号の影響で破損してしまったようです。

そして待望の大観望!


景色はまあまあ良いのだけれど、なんか思っていたのと違う(笑)
さっさと頂上を目指そうと思いました。

しばし歩くと山小屋を発見。

年始でしたが普通に営業していました。

この山小屋を過ぎたあたりから、傾斜が急になって段々と過酷になっていきました。


こんな感じのところを延々と登り続ける。割とキツイ。

挫けず登っていくと、また山小屋が!

さらに進むと、また山小屋が!

どんだけ山小屋あるの(笑)

ここらへんから、山道が進化し、階段になる。



登っても登っても階段なのは、肉体的にも精神的にも疲れますね。

途中、看板を発見。

看板を見ると山頂までもう少しじゃないか!
残りの距離が短い看板には励まされます。

そして、後ろに控えるのはこの階段である。

気合で登っていくと、、、

ででーん!

山小屋です!(笑)

周辺の景色をパシャリ。


結構登ったので、周囲に遮蔽物が無くて、景色が良いですね!
でも、雲行きが怪しくなってきた。

少し休憩してから、登山を再開します。


登っていくと段々と視界が白く、、、


山頂までもう少しの所で霧が発生してきました。景色が、、、(涙)

悲しい気持ちで登っていると、ついに、、、!

山頂に到着しました!

山頂の景色ぃぃぃ!


富士山どころか、なんにも見えない(苦笑)

山頂の景色が見れかったのは残念でしたが、もうひとつの楽しみである冬山でカップ麺を食べる準備をします。

去年ガスバーナーを買っていたのですが1度も使えず、今回やっと使う事ができました。
思ったより早く沸く!便利!


疲れた体に温かいカップ麺はしみますね~!
美味しかった!ごちそうさまでした。

1時間くらい休憩した後、来た道を戻りました。
同じ道を通ったので、下りは省略しますね!

往復で7時間くらい掛かりました。
そんな感じの、新年一発目の登山でした。
久々に登ったので疲れましたが楽しかったです。

昨年は土日が雨ばかりだったのと、台風19号の影響で山道の封鎖等があり、ほとんど登れなかったので今年は沢山登りたいですね!

それではまた!

よりよい仕事が出来るように

お久しぶりです。山田です。

今回は、プログラムの能力などではなく、仕事をよりよくするために、どうしたら良いかを去年の年末考えたので、まとめてみようと思いました。

振り返りを行う

当たり前ですが、作業が終わった後、何が良くて、何が良くなかったかの振り返りをするようにしています。
悪かった際の振り返りは出来る人が多いと思いますが、
良かった場合の振り返りは、あまり出来ている人はいないと思います。
悪かったときはもちろんですが、良かった場合にも理由があると思います。
次も成功させるために、しっかりと振り返りをする必要があると感じています。

妥協しない

自分の中で、このくらいでいいやと妥協した部分は、必ず上長には見透かされて指摘として返ってくるものです。
時間等の制約があって、完璧にするのが難しい場合には、上長と相談をして、自分自身で線を引かないようにした方が良いです。

報告、相談を密に行う

相談や報告を行い、上長やお客様との認識のずれを早めに無くし、正しいゴールに向かって作業をできるように意識しています。
上の妥協しないの内容と似たものになってしまいますが、自分で思っているものと、上長やお客様のイメージが違うことは多々あります。
おそらく大丈夫だろうではなく、これで大丈夫だと自信を持って言える状態にしてから、作業に入るようにしています。

後回しにしない

優先順位は有ると思いますが、意味もなく後回しにはしないこと、またどうしてもすぐには作業に入れない場合は、依頼元の人に相談するようにしています。
やってみるとすぐに終わったり、持っているタスクが少ないとタスクの消化し忘れが少なくなります。

最後に

当たり前のことや簡単そうなことが多いですが、振り返ってみると出来ていないことが多いです。
私自身、出来ていないことがたくさんあることに気が付きました。
少し意識するだけで、以前よりも仕事が潤滑に進んでいる気がしています。
まだ出来ていない部分も多いので、これからも意識して業務に取り組んでいきたいです。
みなさんも、これを気に自分の仕事の仕方を確認して、出来ていないものは実施してみたらいかがでしょうか。

指定したファイルを検索し取得するWindowsバッチ

今回はファイルのコピーを行ってくれるバッチファイルを紹介します。
ただコピーしてくるだけではなんなので以下の点の機能を追加しています。
・指定したパス以降の対象ファイルを自動的に検索して取得してくる。
・list.txtに記載された複数のファイルを一括で取得してくる。

以下がソースです。

@echo off
set /P FROM_PATH="取得元フォルダを入力してください"
set TO_PATH=%~dp0
set START_TIME=%DATE% %TIME%
cd %FROM_PATH%
for /f "tokens=*" %%i in (%TO_PATH%\list.txt) do (
echo %%i
call :doget "%%i"
)
pause
exit
:doget
for /f "tokens=*" %%a in ('dir %1 /b /s /a:-h') do (
echo 【%START_TIME%%%a >> %TO_PATH%結果.txt
echo 元ファイル %%a
copy /y "%%a" "%TO_PATH%"
)
exit /b


echoやオプションなどの細かい箇所は省きますが、6~9行目の

for /f "tokens=*" %%i in (%TO_PATH%\list.txt) do (
echo %%i
call :doget "%%i"
)

にて、list.txtの中身を検索対象として次の取得処理に渡しています。
"tokens=*"をつけないとスペースが入ってるファイルを正しく取得できないので注意。


後は以下の箇所で渡されたファイル名をdirコマンドで検索し、コピーしてきます。

for /f "tokens=*" %%a in ('dir %1 /b /s /a:-h') do (
echo 【%START_TIME%】%%a >> %TO_PATH%結果.txt
echo 元ファイル %%a
copy /y "%%a" "%TO_PATH%"
)


実行するとこんな感じになります。

バッチ実行結果

copyのコマンドを変えて逆に配置したり、別のコマンドにしたりすることなんかもできると思います。

速読のススメ

久しぶりのブログ更新となります、大畠です。

寒さが厳しい季節になってきました。
元々朝に弱い私ですが、ここのところはあまりの寒さに起きても布団から出ることができず、暖房で部屋を暖めてからでないと起きることができない毎日です。
空気が乾燥するのであまり良くないとは思いつつ、加湿器の購入を考える日々です。

さて、時候の挨拶も済んだことで、今回は自分の趣味と絡んだことを話そうと思います。

読書のススメ

2019年も残りわずかとなり、シベスピでは27日が仕事納めとなります。
その後には年末年始の休暇ですが、ひとによってそれぞれの過ごし方があると思います。
長い休みを利用して勉強にあてるのも非常に有効かと思います。
後で読もうと思っていた参考書や、気になっていた分野をまとめてインプットするのに、都合の良い期間かと思います。

ですが、長い休みといっても本を読み切るのはせいぜい1~2冊程度。
興味のある参考文献を手に取っても、最初の10ページほどでなんか思っていたのと違うと感じてしまい、飽きもでてしまいます。

読みたいけれど、本がつまらない。貴重な休みを有効に使いたいけれど、手早く本の知識を吸収したい。
そんな考えを持つ方には、速読が有効かと思います。

本の読み方

速読とは、そのままの通り本を速く読む方法です。
1冊の本を短い時間で繰り返し何度も読んでいく事で全体の要旨を把握し、本のメッセージを読み取っていきます。
読み始めて5分で眠くなる本も、10時間以上も読むのにかかっている本も、この方法ならばほとんどが読み終えることができると思います。
手軽で万能な読書法にも思えますが、集中力は必要で、ポイントをおさえて行わないと結局は無駄にもなりかねないので、訓練が必要となります。

用意するのは以下のものです。
・読む本…これがないと始まりません。
・ノート…メモ用。
・シャーペン…ボールペンでも可能ですが、書いたものを消せると良いかもしれません。
ポストイット…図書館から借りた場合など、本を汚せない代わりに便利です。

用意ができたら、いざ実践です。
今回は300ページほどの本を想定して書いていきます。

読書1回目、1冊を5分で読む

速読の目的は本に書かれた要旨を正確に早く読み取ることです。
作者のメッセージは結論部分になる最後の方に入っていることが多いのですが、その前までを読んでいないと何が言いたかったか分からないのが殆どです。
なので、最初から本を読み進めて行くのですが、時によっては気分がノらなかったり、怠かったりして、読む箇所によってはムラがあり、時間がかかってしまったり、作者のメッセージを読み飛ばすことになります。
速読ではそのムラをなくすため、短い集中で一気に読み進めて行きます。
なので、1回目の読書にかける時間は5~10分。文章や図式などを絵としてとらえ、全体の構成を読んでいきます。最初は感覚がつかみにくいかもしれませんが、1ページ1秒のペースでめくっていき、見出しや太字になっている箇所、ハイライトを記憶していきます。

読書2回目 20分で読む

1回目で全体のページに目を通したら、もう一度最初のページに戻ります。
この時、本の内容はなにも頭に入っていないと思います。とりあえずたくさんの文字と、たまに図式があったり、見出しがちらほらとあった、としか覚えていないと思います。
その状態で再度同じ本の読書をします。
2回目の目的は気になる部分をメモすることです。
各章ごとに読む本人が重要だと思う箇所を見つけていく作業になります。
全体を1回目より少し長くした時間を設けて読書をしていくわけですが、まだ時間も短いので流し見程度にページをめくり、参考になる箇所をペンで囲ったり、ポストイットをつける等をします。
参考になるか分からないけど、重要だと思う箇所はノートに模写しておくと、良いと思います。

読書3回目 60分で読む

2回目が終わった後、続いてまとめ作業となる重要箇所の通読をしていきます。
本人がメモした内容や、本にチェックした箇所を読み、頭の中でメッセージを組み立てていきます。もしまだ纏まらないようだったら、再度本をチェックし直します。
纏まった内容はノートに記しておき、自分なりの本を読んだ感想を記します。文書として書くことが大事で、「良く分からなかった」としてもそのまま書きます。

以上が、速読の基本となります。
ひとによっては、2回目や3回目の間に長時間の休憩をはさんで、その間に頭の中でまとめ、その後でノートにまとめるという方法もあります。

読み方はひとそれぞれ

速読することでたくさんの本を読むことができますが、ひとによって読み方は様々だと思います。
私の場合は参考書を速読し、同じ分野を続けて3冊ほど読みます。参考書は高いのでほとんどが図書館から借りていますが…
一方で小説は普通の読み方をし、言葉の選び方や物語のテンポを楽しみます。
本は読まない限り内容を知ることができないので、自分にあった読み方で楽しんでいくのが良いかと思います。

参考文献:
『読書の技法』佐藤優
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『あなたもいままでの10倍速く本が読める』ポール R.シーリィ
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読みにくい?

つい先日、出身大学の学園祭に行って来まして、所属していた小説サークルの出展を見てきました。
出展内容は例年と変わらず、在籍者みんなで書いた小説の冊子の展示です。数ページで終わる簡単な作品から100ページを超える力作まで色々な小説あり、大変面白かったです。

しかしながら、学生が趣味で書く小説は市販されている小説にはない「読みにくさ」があります。
なぜ読みにくいのか。
私は、小説に限らず他の文章でも、例えばお仕事で書く設計書から友人に送るSNSのメッセージまで、読みにくい文章・読みやすい文章では共通のポイントがあると考えています。

読みにくいって何だろう

学生が書く小説は多くの場合、趣味全開で書かれていまして、知識的についていけないことがあります。
例えば、銃の存在くらいは私でも知っていますが、その銃を構成するパーツの一つひとつの名称は知らないので「エジェクションポートに指を入れ」なんて言われても何をしているのか想像できません。
想像できないと文章が頭に入ってこなくなり、「読みにくい」と感じてしまうのです。
(そういう、今まで知らなかった事柄に触れられるのが面白い点ではあります!)

さらには、登場人物がいっぱい出てきます。
一番印象に残っている作品では、8名ほどの美少女に主人公の男性が引っ張りダコにされる、言わゆる「ハーレムもの」の作品だったのですが、3行に一人新しい女の子が登場してきます。さらに、主語が書かれないまま次々に行動してくるため、いつ誰が何をしているのかわからなくなりました。
(そういう、メチャクチャな展開が面白くはあります!)

つまり、読みにくいというのは「読んでいる私」が理解できない、ということなのです。
逆に言うと、「読んでいる私」が理解しやすければしやすいほど、その文章は読みやすい文章であるともいえます。

理解できる文章を意識して書いてほしい!

では、どのように書くと読みやすい(理解しやすい)文章になるのでしょうか?
私の経験からとはなりますが、ポイントを5つまとめていきたいと思います。

①主語を書く!
私が最も意識している事ですが、主語を書くことで「何に対する文章なのか」が明確になり、理解しやすくなります。お仕事では、長いシステム名を主語として何度も書かなくてはいけない場合もあるのですが、その際にはそのシステム名の後に「(1)」など番号を振ると良いです。
そうすることで、「(1)は、」といったように、主語が何かを簡潔に書けます。(小説だとダサくなるので使えない技ですが……)

②読み手の知識レベルを考える
今書いている文章が誰向けの文章なのか考えてみましょう。幼稚園児に漢字がいっぱいで修飾語だらけの文章を見せてもわかりません。逆に、一般的なオタク向けであれば神話に出てくる神様の名前程度であればわかるはずです。
読み手の知識レベルでは理解されない言葉を用いないといけないときもあるでしょう。その際には注釈などで、その言葉について説明を追加すると良いです。

③1文を短くする
小説の場合、長い文を書くことで味を出しているものもありますが、理解のしやすさで言えば圧倒的に短い文の方が読みやすいです。
「……が、」とか「……で、」とか、そういう言葉で文を繋ぎがちの人も多いですが、それを止めるだけで読みやすさが大きく変わります。

④時系列順に書く
時系列順に書くことで、読み手は順番に理解していくことが出来ます。むしろ、時系列順に書かれていない文章はいつ何が起きているのか分からなくなります。
いつ何が起こっているのか分からなくさせたトリックを利用した小説もありますが、そういう狙いが無い限りは時系列順にまとめてあげましょう。

⑤リズムを大事にする
日本語には5・7・5のように、読みやすい言葉のリズムがあります。私の場合、一度書いた文章を読み返してみれば直感的にわかるのですが、他の方も同じでしょうか。
もし、読み返してみて「読み辛い」と感じた場合、その文章は読み飛ばされてしまうことがあったり、読み手をイライラさせることがあります。
このため、リズムが良くなるように言い換えてみる、語順を変えてみるなどでリズムを整えると良いです。

おわりに

ポイントとしては他にもある気がするのですが、パッと思いつかないのでこの辺にしておきます。
とにかく言えることは、"読み手はどう書けば理解してくれるか"を考えて書くことが大事だと思います。
「気持ちのこもった文章」なんていうのは、そうして読み手のことを考えながら書かれた文章のことを言うんじゃないかって、私はそう思います。