株式会社シベスピ 従業員ブログ

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読みにくい?

つい先日、出身大学の学園祭に行って来まして、所属していた小説サークルの出展を見てきました。
出展内容は例年と変わらず、在籍者みんなで書いた小説の冊子の展示です。数ページで終わる簡単な作品から100ページを超える力作まで色々な小説あり、大変面白かったです。

しかしながら、学生が趣味で書く小説は市販されている小説にはない「読みにくさ」があります。
なぜ読みにくいのか。
私は、小説に限らず他の文章でも、例えばお仕事で書く設計書から友人に送るSNSのメッセージまで、読みにくい文章・読みやすい文章では共通のポイントがあると考えています。

読みにくいって何だろう

学生が書く小説は多くの場合、趣味全開で書かれていまして、知識的についていけないことがあります。
例えば、銃の存在くらいは私でも知っていますが、その銃を構成するパーツの一つひとつの名称は知らないので「エジェクションポートに指を入れ」なんて言われても何をしているのか想像できません。
想像できないと文章が頭に入ってこなくなり、「読みにくい」と感じてしまうのです。
(そういう、今まで知らなかった事柄に触れられるのが面白い点ではあります!)

さらには、登場人物がいっぱい出てきます。
一番印象に残っている作品では、8名ほどの美少女に主人公の男性が引っ張りダコにされる、言わゆる「ハーレムもの」の作品だったのですが、3行に一人新しい女の子が登場してきます。さらに、主語が書かれないまま次々に行動してくるため、いつ誰が何をしているのかわからなくなりました。
(そういう、メチャクチャな展開が面白くはあります!)

つまり、読みにくいというのは「読んでいる私」が理解できない、ということなのです。
逆に言うと、「読んでいる私」が理解しやすければしやすいほど、その文章は読みやすい文章であるともいえます。

理解できる文章を意識して書いてほしい!

では、どのように書くと読みやすい(理解しやすい)文章になるのでしょうか?
私の経験からとはなりますが、ポイントを5つまとめていきたいと思います。

①主語を書く!
私が最も意識している事ですが、主語を書くことで「何に対する文章なのか」が明確になり、理解しやすくなります。お仕事では、長いシステム名を主語として何度も書かなくてはいけない場合もあるのですが、その際にはそのシステム名の後に「(1)」など番号を振ると良いです。
そうすることで、「(1)は、」といったように、主語が何かを簡潔に書けます。(小説だとダサくなるので使えない技ですが……)

②読み手の知識レベルを考える
今書いている文章が誰向けの文章なのか考えてみましょう。幼稚園児に漢字がいっぱいで修飾語だらけの文章を見せてもわかりません。逆に、一般的なオタク向けであれば神話に出てくる神様の名前程度であればわかるはずです。
読み手の知識レベルでは理解されない言葉を用いないといけないときもあるでしょう。その際には注釈などで、その言葉について説明を追加すると良いです。

③1文を短くする
小説の場合、長い文を書くことで味を出しているものもありますが、理解のしやすさで言えば圧倒的に短い文の方が読みやすいです。
「……が、」とか「……で、」とか、そういう言葉で文を繋ぎがちの人も多いですが、それを止めるだけで読みやすさが大きく変わります。

④時系列順に書く
時系列順に書くことで、読み手は順番に理解していくことが出来ます。むしろ、時系列順に書かれていない文章はいつ何が起きているのか分からなくなります。
いつ何が起こっているのか分からなくさせたトリックを利用した小説もありますが、そういう狙いが無い限りは時系列順にまとめてあげましょう。

⑤リズムを大事にする
日本語には5・7・5のように、読みやすい言葉のリズムがあります。私の場合、一度書いた文章を読み返してみれば直感的にわかるのですが、他の方も同じでしょうか。
もし、読み返してみて「読み辛い」と感じた場合、その文章は読み飛ばされてしまうことがあったり、読み手をイライラさせることがあります。
このため、リズムが良くなるように言い換えてみる、語順を変えてみるなどでリズムを整えると良いです。

おわりに

ポイントとしては他にもある気がするのですが、パッと思いつかないのでこの辺にしておきます。
とにかく言えることは、"読み手はどう書けば理解してくれるか"を考えて書くことが大事だと思います。
「気持ちのこもった文章」なんていうのは、そうして読み手のことを考えながら書かれた文章のことを言うんじゃないかって、私はそう思います。